Braille Nails Project

Braille Nails Project

共創福祉連携

視覚に障がいのある人がネイルを触感で楽しみ、周囲を知る機能も持たせた、資生堂とGoogleのプロトタイプ。

メーキャップがもつビューティーの力 × コンピュータビジョン × 視覚に障がいのある人の日常

視覚に障がいのある人が、ネイルを通じて周囲の世界を知る。 資生堂とGoogleの共同実験「Project Theia」の最初の試みとして生まれた、ネイル型インターフェースのプロトタイプです。 2018年6月に資生堂から公開されました。

メーキャップには、自分を高め、外に出るきっかけをつくる力があります。 けれど視覚に障がいのある人にとって、顔のメイクは片手を添えながらできても、ネイルは塗るあいだ片手が塞がってしまうため、楽しみにくいものでした。 そこでネイルを、目で見るだけでなく触感で楽しめるビューティーの選択肢に変えました。

もうひとつの出発点は、白杖です。 視覚に障がいのある人が把握しやすいのは、白杖の届く範囲の世界です。 一方で、スマートフォンのカメラを通じて周囲を知るなど、テクノロジーで補助できることもわかってきていました。 白杖の届かない、その先の世界を知る。 この機能を、テクノロジーとビューティーの融合でかなえました。

キットは、3Dプリントによる立体的なテクスチャーを持つ10枚のネイルチップと、同じ素材で作られたカメラバッジで構成されています。 ネイルはそれ自体が装いであると同時に、カメラが手の動きを認識するためのマーカーとして機能します。 親指を立てると目の前の情景を説明し、空を指すと天気を教えてくれる。 ジェスチャーをコンピュータビジョンが読み取り、周囲の情報を音声で返す仕組みです。

プロジェクトは、視覚に障がいのある人やアクセシビリティの専門家へのインタビューから出発しました。 福祉機器を目立たなくするのではなく、身につけたくなる装いへ。 触っても見ても楽しめる4種類のネイルデザインは、いずれも視覚に障がいのある当事者が選んだものです。

装飾だったネイルが、マーカーになり、入力装置になり、身体のインターフェースになる。 装いの文化に別の機能を重ね、ビューティーの意味を広げていく発想が、このプロジェクトの核でした。

メーカーやデザイン会社など複数企業が領域を越えて組んだ実験的なプロジェクトで、博報堂アイ・スタジオ在籍時にプロジェクトメンバーとして参加しました。

連携先
資生堂 / Google ZOO / 博報堂アイ・スタジオ など
担当領域
プロジェクトデザイン/クリエイティブディレクション

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