W春池計画
回収ガラスを、デザインの力で「使いたいもの」に変える
課題
台湾で回収される廃ガラスの約7割は、新竹の春池玻璃に集まります。 半世紀以上ガラスの回収を続け、年間10万トンを処理する、循環の黒子のような会社です。 けれど再生ガラスは長く「安い代替材」として扱われてきました。 処理する技術があっても、使いたいと思われなければ、循環は細るばかりです。
アイデア
二代目の呉庭安が始めたW春池計画は、再生ガラスを「デザインの素材」として差し出す試みです。 デザイナーの聶永真、サザビーズ、ホテルや茶飲料のブランドまで、協働の相手は分野を選びません。 再生ガラスの一口グラス「143」のような日用品から、セメントや舗装材といった建材まで、出口を幾重にも用意しました。 新竹や台北、そして台南市美術館の中に構えた「春室」では、展示とカフェとガラス吹き体験をひとつにし、再生ガラスに触れる時間そのものを商品にしています。
結果
公式に名を連ねる協働先は、デザイナーから百貨店、コーヒースタンドまで15組を超えました。 体験拠点の「春室」は新竹から台北、台南へと4カ所に広がっています。 2020年には、建築家・黃聲遠との取り組みが、台湾の建築産業界で初めて総統創新賞に選ばれました。
リサーチの視点
リサイクルの隘路は、技術ではなく需要にあります。 W春池計画は、再生材の価値をデザインで引き上げ、「使いたい」を先につくることで回収の流れを太くしました。 処理能力を持つ黒子が、自ら文化の側へ出ていった事例として収録しました。
- MODEL
- ごみを製品に変える
- THEME
- 持続可能
- SOURCE
- springpoolglass.com ↗
- 最終確認
- 2026.08.01