台湾2016–

藺子

消えかけた藺草編みを、地域の生業に戻した

課題

台湾・苑裡の藺草編みは、1727年に始まる三百年の手仕事です。 日本統治期には帽子とござが一大輸出品となり、町の女性の9割が藺草を編んでいたと伝わります。 けれど産業化の波の中で仕事は減り、編み手は高齢の女性たちだけになっていきました。 技は生きているのに、それで暮らせる人がいない状態でした。

アイデア

2016年、若いふたりが職人4名とともに「藺子」という工房を始めました。 藺草の栽培から製品の開発、販売、技術を伝える教育までを、ひとつの生業として引き受け直します。 職人の作品は工房が買い取り、編むことが再び安定した収入になるようにしました。 帽子やバッグは伝統の複製ではなく、いまの暮らしの道具としてデザインされています。

結果

いまでは40代から80代まで、約50人の職人が藺子とともに編んでいます。 2019年には英国発の社会的インパクト評価SROIの認証を受けました。 店と体験の場を構えた苑裡に、藺草の香りが日常として戻りつつあります。

リサーチの視点

工芸の再興は、技術の保存からではなく、編む人の家計から始まります。 藺子は買い取りという入口で職人の手を再び動かし、栽培から教育までを一本につなぎました。 生業として続く形を先に設計した実例として収録しました。

MODEL
伝統の技を生業に戻す
THEME
持続可能 / ソーシャルグッド
SOURCE
sunnyrush.com ↗
最終確認
2026.08.01

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